福祉サービスの利用中や作業中にけがをしたときは、本人の安全と必要な受診を優先します。緊急に救急車が必要なときは119番へ。記録や補償の確認のために、受診を遅らせないでください。落ち着いてから、起きたことと、その後の対応を整理していきます。
記録には、日時、場所、行っていた作業や活動、周囲の状況、本人が話したこと、目撃者、行われた対応を残します。「見た事実」「本人から聞いたこと」「まだ分からないこと」を分けると、後から確認しやすくなります。写真を残す際は、他の利用者などの個人情報に配慮してください。
受診先、受診日、領収書、交通費、事業所と連絡した日時と担当者名も保管します。診断書が必要かは提出先に確認してから手配するとよいでしょう。本人が痛みや状況を伝えにくい場合は、普段との違いを具体的に記録し、医療者へ伝えます。診断や治療の判断は医療機関に確認してください。
事業所には、事故の経緯、本人への対応、家族や自治体への連絡、再発防止の検討について説明を求めましょう。指定障害福祉サービスの運営基準では、事故時の連絡や必要な措置、状況と対応の記録が定められています。記録の共有方法や、今後の連絡担当者も確認します。
補償は三つの観点で確認します。労災保険は、労働者の業務・通勤に関する災害などを扱う制度です。雇用契約のあるA型利用者などと、通常は雇用契約によらないB型利用者では前提が異なります。サービス名だけで対象を断定せず、働き方の実態や事故状況を労働基準監督署に相談してください。
損害賠償は、事故について法律上の賠償責任があるかという問題です。施設内でけがをした事実だけで、責任や支払額は決まりません。一方、保険・共済のけがの給付は、それぞれの契約条件によります。労災、賠償、契約上の給付をひとまとめにせず、各窓口に必要書類や他の給付との調整を確認しましょう。
事業所の説明で不明点が残る場合は、相談支援専門員や市区町村の障害福祉窓口にも相談できます。契約の給付は引受先、法的な争いは弁護士などへ。今後の備えを学びたい方は、NPOえんとかく主催の無料セミナー案内をご覧ください。詳しい説明を希望するときは担当者へお伝えください。開催状況は案内ページで確認できます。
参考資料と確認日
- 総務省消防庁「119番緊急通報」
- 厚生労働省「指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」第40条ほか
- 厚生労働省「就労継続支援事業利用者の労働者性に関する留意事項について」
- 厚生労働省「労働災害が発生したとき」
- 厚生労働省「労災保険」相談窓口
- 金融庁「金融サービス利用者相談室」保険商品等
確認日:2026年10月16日(日本時間)
