本にしたいことはあるのに、何から始めればよいかわからない。そんなときは、原稿を最初から完成させようとする前に、読者・役割・素材の3つを書き出してみましょう。書きたい内容が同じでも、誰に届けるかによって一冊の形は変わります。
最初の読者を、一人思い浮かべる
「多くの人に読んでほしい」は自然な願いです。ただ、構成を考えるときには、まず具体的な一人を思い浮かべます。初めて子育てに向き合う人、仕事を始めたばかりの同僚、離れて暮らす家族などです。
例えば活動記録を本にするなら、職員向けには判断の過程や試した工夫を、地域の人向けには活動が生まれた背景を厚くする、という違いが生まれます。どちらが正しいかではなく、読者が知りたい順番を考えます。
読んだ後に、何を持ち帰ってほしいか
本の役割を「知ってもらう」「一緒に考える」「試してもらう」「思い出を残す」などの言葉で表します。例えば「支援の大切さを伝える」を「子どもの行動を、場面や環境と一緒に考えるきっかけにする」と具体化すると、必要なエピソードを選びやすくなります。
今ある素材を、形式を問わず集める
ブログ、講演メモ、日記、写真、話した内容の記録も素材です。まず一覧を作り、それぞれに「読者のどんな問いに答えるか」を一行添えます。同じ説明が多い部分と、説明が足りない部分が見えてきたら、それが目次づくりの入口になります。
相談用の企画は、短くてよい
最初の企画書は立派な装丁でなくても構いません。「読者」「読後に残したいこと」「手元にある素材」を各数行にまとめましょう。ページ数やタイトルが未定でも、目的が共有できれば、必要な制作工程を話し合えます。
書き手自身の選択も、大切にする
誰かの役に立ちたいと思うほど、自分が書きたいことを後回しにしてしまうことがあります。まず「残したいこと」と「今は書かないこと」を分けてみてください。えんとかくBOOKSでは、書き手の意思と読者への伝わり方の両方を大切に、本にする範囲を一緒に考えます。
今日、ここから始めてみる
- 最初に読んでほしい一人を書く
- 本の役割を一文で表す
- 手元の素材を5つ挙げる